ムラサキ
6月(水無月)
「江戸紫」の原料。美容にもよい
日本の各地や、朝鮮半島、中国などにも分布する多年草です。名前と違い、白い花を初夏につけます。紫色をしているのは根です。
これは天平のころから紫染めの原料として使われ、江戸時代には「江戸紫」と呼ばれるほど人気が高まりました。
生薬名はシコン(紫根)といい、乾燥して砕いた根を用います。
紫の色素中の有効成分には殺菌力や肉芽形成作用があり、処方では華岡青洲がよく用いた紫雲膏が有名。やけど、腫れ物、痔、あれ止めなどに用いられます。
また、紫根は皮膚粘膜の異常細胞を取り去り、新しい皮膚の形成を促進する生薬として注目されています。
自然美容力を活発にする目的で、一部の化粧品や石けんに配合されています。